マルチスレッドメッシュ機能を搭載し「メッシュ生成の高速化」を実現
IRONCADの日本・ASEANの総代理店 株式会社クリエイティブマシンは、IRONCADの連成解析ソリューション『MPIC』の新バージョン『MPIC 2022』をリリースしました。
発売以来、MPICは多くの設計者から解析専門家まで高く評価されています。
MPIC 2022では、解析の高速演算を可能にしていたマルチスレッド機能を、メッシュ機能にも応用。
これにより、メッシュ生成の高速化を実現しました。
MPIC 2022の新機能と改善項目
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解析モデルの読み込み時間を短縮
解析モデルを読込/切替するときの、パフォーマンスを向上させて、ユーザーの待ち時間を短縮することに成功しました。
大規模なモデルや多数の解析ケースを含むモデルでは、読込時間が特に高速化されています。
このパフォーマンス向上は、完全な内部アーキテクチャコードの変更におけるメジャーアップデートによるものであり、現在のUIデザインのほとんどを維持するためにあらゆる努力を払っていますが、より直感的なアップデートが行われています。
※上記画像の265万節点の解析モデルをMPIC 2021 / 2022それぞれで開く比較検証を行ったところ、MPIC 2022では、MPIC 2021に対して14%の時間短縮が確認できました。
マルチスレッドメッシュ機能
MPIC 2021まで、解析の演算時の高速性を実現していたマルチスレッド機能を、MPIC 2022では、新しくメッシュ機能にも応用いたしました。
MPIC 2022から、ユーザーはより高速でメッシュ生成をすることが出来ます。
MPIC Expertバージョンの場合、デフォルト設定で、利用可能なすべてのシステムCPU/コアを利用して、メッシュ生成時間を短縮することが出来ます。
MPIC Basicバージョンでは、2コアに制限されていますが、以前のバージョンよりも確実に高速にメッシュ生成されます。
また、多くの薄層メッシュ生成の速度と信頼性を更新し、ユーザーの介入をしない、デフォルトのメッシュ生成制御を改善しました。
※添付画像は、弊社調べの1スレッドと4スレッドでのメッシュ生成時間の比較をグラフでまとめたものです。
横軸が、生成された要素数、縦軸が生成時間としています。
グラフの傾きが、メッシュ生成のスピードを表します。
本テストで、1スレッドと4スレッドで24.6%の速度向上が確認できました。
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流体解析機能
流体解析モジュールは、一般的に使用される流入出流れの解析のためにさらに改良されました。
更新されたモジュールは、ポアソン方程式を事前に解いて、制御可能なデフォルトパラメータを使用して完全に発達した流入出流れを解析し、ユーザーが指定したエリアへの流入出流れにフロープロファイル(流れの輪郭)を適用して、無限流れ領域から(もしくは、無限流れ領域へ)の流入出流れを解析します。
これは、大規模で、特に境界のない流入出流れ領域を含めない場合の流体解析にとって重要です。
この改善によって、解析時間の短縮と、解析精度の向上に繋がりました。
圧電材料電気解析
MPIC 2022では、新しく電気解析オプションで圧電材料を取り扱うことが出来るようになりました。
この機能を使用することにより、圧電材料(ビニールレコードプレーヤーのピックアップヘッドやピエゾスピーカー/センサーなど)の解析が可能となります。
※添付画像は圧電材料の応力-電気連成解析の一例です。
圧電ひずみマトリクスを設定した、圧電材料に強制変位を設定することによって、電位差が発生して、添付画像で示す矢印の電流が流れていることがわかります。
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2D解析制御の向上
MPIC 2022では、2D解析制御の向上と、断面平面応力、平面ひずみ、軸対称解析などの平面簡易解析の精度を向上しました。
MPIC 2022の2D解析の改善点は、主にメッシュ生成において行われております。
メッシュ生成時にもマルチスレッド処理に対応したため、メッシュの均一性を向上させました。
さぁ、解析をはじめよう。
IRONCADの連成解析ソリューション『MPIC』
『MPIC(エムピーアイシー)』は、IRONCADの連成解析ソリューション。
IRONCAD上で解析が実行でき、アセンブリ解析も可能です。
形状や条件を変更した再解析も手軽だから、構想設計で必要強度を加味した方向性を決められます。
オートメッシャーは一次要素で二次要素並みの計算精度を実現し、インターフェースは誤設定を防止するように設計されています。
MPICは機械設計へ安心品質を提供します。
- 高い信頼性で計算も速いハイエンドCAEソルバー
- 主要な3D CADソフトのデータ形式で解析が可能
- 複数のスレッドを使用可能
- 操作・設定を容易にしたプリポスト
- 複数の解析を "同時" に解く連成解析システム
【主な解析対応範囲】
物理タイプ:応力、熱、電場(オプション)、流体(オプション)
解析タイプ:静解析、過渡、固有値、応力剛性を考慮した固有値、座屈、定常・非定常熱伝導、周波数応答
材料:等方性材料、異方性材料(剛性 / 熱 / 電気)、非線形弾性体、等方硬化 / 移動硬化、超弾性ラバー / 超弾性フォーム、モール・クーロンの可塑性、熱依存 / 依存性材(歪 / 時間等)
その他:非線形 / 大変形、結合 / 接着(ボディ、面、エッジ、頂点)、接触